名曲「上を向いて歩こう」誕生秘話
昭和を代表する名曲であり、今の時代にも通じる前向きな曲として幅広い年代に知られているのが「上を向いて歩こう」です。
坂本九の代表曲であるとともに、2016年に亡くなった永六輔の歌詞のセンスが光る作品でもあります。
よくよく歌詞を読み直してみると細かい部分に意味深な部分がある深みのある歌ですが、実はこれはかつて永六輔が60年代に安保闘士として活動をしたという経験を踏まえたものであるといいます。
また当時片思いしていた中村メイコが別の男性と結婚をしたと聞き、その失恋をした時のつらい気持ちを歌にしたという思い出ものちに語っています。
なお「上を向いて歩こう」は海外でもヒットをしており、アメリカのビルボードヒットチャートでは3週間連続で第1位を獲得するなど現在では考えられないような偉業を達成しています。
有名な話ですがその時に付けられていたタイトルがなぜか「SUKIYAKI」であったあたり当時の日本という国に対するイメージが伺えます。
ちなみに豆知識ですがこの「SUKIYAKI」という曲がヒットしたのはアメリカよりもイギリスが先で、日本を訪れたイギリスのレコード会社の社長が訪日したときに幾つか流行歌を購入していき、その中の一つとして「上を向いて歩こう」があったことがきっかけでした。
イギリスで売り出すことに決めたとき、単純に「I look up when I walk」と直訳しただけでは覚えにくくリスナーの記憶に残りにくいということでたまたま日本に行った時に食べた「すきやき」を使ったのだそうです。
もっとも最初は「SUKIYAKI」ではなく、坂本九を英語で紹介するときの語感と合わせるために「SUKIYAKA」として売ろうとしていたのだそうですが、これはさすがに日本のレコード会社が猛反対したのでボツとなりました。
カラオケでもよく歌われる定番曲
「上を向いて歩こう」は文句なしに時代を超えた名曲ですが、その他にも「明日があるさ」「見上げてごらん夜の星を」といった現在でもカラオケで上位に入ってくる有名な曲がたくさん残されています。
惜しむべきは坂本九という非常に才能あふれるシンガーを不幸な事故でなくしてしまったということです。
既に古い記憶となりつつありますが、1985年8月15日に日本航空123便が墜落するという大事故が起こりました。
この日本航空123便の事故で亡くなった人は乗員乗客含めて524人にものぼり、坂本九以外にも13人の著名人が乗っていたということがわかっています。
亡くなる前の思い出については妻である柏木由紀子や現在シンガーソングライターとして活躍中の娘である大島花子が伝えているところです。