シニアにも大人気の油絵に挑戦
現役時代会社に勤務してきた人の多くは「定年退職をした時にどういった趣味を楽しもうか」といったことをかなり強く気にしているのではないかと思います。
リタイヤ後のいわゆる「セカンドライフ」では、たっぷりとある時間を使って何らかの技能を高めていく趣味を持つことがおすすめになります。
リタイヤしたあとまで自分の能力を伸ばすための努力なんてしたくないと思うかもしれませんが、実際には何もすることがなくなった時間だからこそ、自分のために自分の能力を伸ばす時間というものが必要になってきます。
そんな「セカンドライフ」からの趣味にぴったりなのが「油絵」です。
油絵は先代を問わず幅広く趣味としている人が多いジャンルなのですが、習得をするためにはかなりの時間と経験が必要になります。
ただ絵を描くというなら水彩画や色鉛筆でも十分な気がしますが、油絵というのはテレピン油という専用の油を使って顔料を溶かしそれをキャンバスに描いていくというものであるため非常に発色がよくリアルな色使いにしていくことができます。
筆だけではなくペインティングナイフなど独特の器具を使って描くところも特徴で、有史以来非常に多くの名作が残されてきました。
誰でも知っている「モナリザ」やゴッホの「ひまわり」といった作品は全て油絵によって描かれたものであり、表現力の豊かさとともに長期間の保管をすることができるというところも魅力です。
時間をかけて描き上げることで発想が深まる
油絵のもう一つよいところは、描き上げるまで非常に長い時間がかかるということです。
というのも油絵で使用するテレピン油および顔料は非常に定着するまで時間がかかるという特徴があるため、素早く短期間で一枚の絵を仕上げるというのはかなり難しいのです。
よく油絵を習いたての人がやってしまいがちな失敗例として、よくキャンバスの油が乾かないうちに次の色をベタベタと塗り進めてしまうことで、画面全体がドロドロになってしまうということがあります。
ただし油絵は一度定着をすればその後何十年何百年と発色を損なわずに残すことができる種類の塗料なので、じっくりと色が固まって行くのを待っていくという楽しみがあります。
急いで乾かしてしまうとかえってあとからひび割れが起こりやすくなってしまうことから、できるだけ風通しのよい暗所で何日もかけてじっくり乾かしていくというのが理想的です。
こうしたゆったりした絵画製作はともするとじれったいことのようにも思えるものですが、ありあまる時間を使って次にどのように色を塗っていくかということを考えていくという楽しみがあります。
自宅のキャンバスにおいたまま続きを考えながら生活をするというのも、有意義なセカンドライフにピッタリではないでしょうか。